藍染めの歴史と技法とは?藍を用いた伝統的な染色工法とその特徴を解説!

 

藍とはタデ科の植物で、昔から中国や朝鮮、日本などで伝統的に染料として用いられてきました。その藍を用いた染工程が「藍染め」と呼ばれるものです。現在の工業的な染工法では化学的に合成されたインディゴ染料が用いられるようになり、以降はあまり藍が染料として用いることは少なくなりました。今回は、藍を用いた伝統的な染色の方法やその歴史、特徴、インディゴ染料との違いなどを解説していきます。

「藍染め」とは?

「藍染め」とは、名前の通り藍を用いた染色技法であり、日本においても伝統的に行なわれてきました。

藍染めの歴史は非常に古く、通説によれば人類最古の染料ともいわれます。古くは紀元前から、世界各地で藍が染料として用いられていて、古代エジプトの王ツタンカーメンの衣服にも藍が用いられていたといわれています。

日本においては奈良時代頃に、中国から朝鮮半島を経由して藍染めの技法が伝わり、以後代表的な染料として藍が用いられるようになりました。江戸時代にはあらゆるものに藍の染料が用いられたといっていいほどの隆盛を誇り、明治~大正時代には国鉄や郵便局職員の制服にも用いられました。

明治後期に安価でよく染まる染料として「インドアイ」が台頭し、国産の藍は下火となり、現在では化学合成されたインディゴ染料に取って代わられています。ちなみに、藍は染料としてだけではなく薬効でも知られ、民間薬として用いられていた歴史もあります。

藍が染料になるまでの過程、伝統の藍染め工法とは?

そもそも植物である藍が染料になるまでにはどういった過程を経るのでしょうか?

まず、藍を収穫するために藍の栽培が行なわれます。藍は春に種まきを行なって、夏には収穫できるのだそう。収穫した藍の葉をまず1cm程度に細かく刻み、茎部と葉を分けます。葉をその後天日干しし、ほうきで何度もひっくり返しながら乾燥させ、ムシロに入れて保管しておきます。

その後、水を入れて混ぜることで葉の中にいる微生物によって発酵が始まり、専門の職人が数日毎に水を与え、撹拌するなど長いこと丁寧に管理し、100日経ってようやく染料となる液体(すくも)が完成します。

その液体を小麦の糠である「フスマ」と、酒、灰汁などと混ぜてカメの中でさらに発酵され、その液体に布をつけて染め、数日かけて繰り返し、染め具合を調整しながら出し入れを繰り返していきます。これが伝統的な日本の藍染め工法です。

藍染めには「建て染め」と「生葉染め」がある

藍染めの工法には「建て染め」と「生葉染め」の2種類があることをご存知でしょうか?

「建て染め」は、不水溶性である藍の色素(インディゴ)を含んだ染料(すくも等)を、微生物による発酵や化学薬品(アルカリ剤など)を用いて水溶性の染料へと還元。そののち、繊維に色素を染み込ませ、繊維を再び酸化させて元の不水溶性の物質に戻す過程をいいます。先ほど説明した伝統的な工法はまさしく「建て染め」です。

それに対して「生葉染め」は、新鮮な藍の葉に含まれる藍の色素の元になる無色の物質(前駆体)を繊維に染み込ませ、繊維内で色素であるインディゴを生成することによって繊維を染める工法をいいます。

「生葉染め」は新鮮な藍の葉がないとできないので、収穫の季節や藍がよく収穫できる場所でないとできないことなどから非常にハードルの高い染工法ですが、建て染めと比べると非常に鮮やかな色に染まること、藍の葉さえその場にあれば個人でも気軽に藍染めができることといったメリットもあります。

「生葉染め」を体験してみよう!「叩き染め」という工法も非常に簡単

藍の葉さえ手に入れば誰でも気軽にできる「生葉染め」は、各地で体験教室などが行なわれるなど、藍染めを気軽に学ぶうえでは非常にポピュラーな手法です。具体的な手順を見ていきましょう。

まず、藍の葉を摘み取り、茎と分離させ、葉っぱのみを細かく切り刻みます。次に、葉っぱを二重にしたガーゼに包み口を輪ゴムでくくっておき、ボールに入れた水に浸してガーゼ越しに葉を10分ほど揉み込みます。水が緑色の液体になり、ガーゼ内の葉に少し粘りが出てくるまでしっかり揉み込みましょう。

粘りが出てきたらガーゼを取り出します。こうしてボールの中に完成したのが染料液で、水で濡らした絹のハンカチなどの布をこの染料液の中に入れ、20分から30分くらい放置し、染め上げていきます。この時、放っておくとムラが出てくるので動かして混ぜましょう。

時間が経ったらハンカチを軽く絞って取り出し、空気中に晒しておくと、どんどん青くなって行きます。20分ほど干して酸化させましょう。その後水洗いし、中性洗剤でも洗い、干して乾燥すれば完成です。

葉を布の間に挟んで細かく叩いて葉の形をそのまま染め写す「叩き染め」という手法もあり、この方法が最も簡単ですが、葉っぱを叩いた状態から1時間ほど放置しないと染まらないので注意しましょう。

まとめ

以上、藍染とは何か、工法の種類やその違い、簡単にできる生葉染めや叩き染めの方法などを一通り解説しました。現在ではインディゴ染料を化学的に合成したものがジーンズなどの大量生産品に用いられていますが、伝統的な日本の藍染めは「ジャパンブルー」と呼ばれ、現在でも大切に技法が受け継がれています。

東京都内で藍染めを学び、体験するなら、新宿区上落合にある「染の里二葉苑」へお越しください。染の里二葉苑では、江戸染を中心とした染め小物や着物の販売から、自社工房にて気軽にさまざまな染色技法を学ぶことができる染色教室、染色体験など多様なサービスを提供しています。

藍の収穫期の染色体験では「生葉染め」を気軽に体験できるイベントも設けていますので、藍染めに興味のある方はぜひとも生葉染めを体感してみてはいかがでしょうか。

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