染色作業の流れとは?基本的な染色の流れ・染めるタイミングの違いなどを解説!

染色作業の流れとは?基本的な染色の流れ・染めるタイミングの違いなどを解説!

服や布に色を入れることを「染め」とよくいいますが、染色を行う際にはさまざまな材料が用いられます。染色作業には基本となる作業の流れがありますが、染めるための原料の違いや染め方の違いによって、染めるタイミングは多種多様です。今回は、染色に際する基本的な作業の流れや工程の違いを、大まかな種類別に解説していきます。

「染色」の定義や特徴とは?

服や着物、タオル、手ぬぐいなどの布製品、繊維製品のうち、なんらかの色が入っているものの殆どが、原料となる生地に対して染料・顔料を用いて色が入れられています。この、生地に対して色を入れることを「染色」といいます。

染色の原理とは、原料となる繊維に対して色素を乗せ、吸着させ、あるいは繊維質と結合させることです。その際には、ただ単に色を入れればいいというものではなく、容易なことでは色が移ったり抜けたりしないようにしなければなりません。そのため、できる限り色落ちしないような工夫が施されるのが普通です。

染色作業の簡単な流れ

染色は、詳しく見ていけば様々な染色方法があり、それぞれの手順や技術が確立されています。しかし大まかな手順としては概ね共通しています。細部は異なりますが、どの染色でも以下のような手順を踏みます。

精錬水洗・漂白

染色を施す際に障害となるさまざまな汚れを落とす作業です。染色を施す前に、繊維そのものを作る作業(未加工の織物の出庫作業や検査・反継作業)の際についた糊や油、ホコリやサビなどの不純物を、水を使って取り除く作業が必要になります。こうした不純物が多くあると、染色にムラができ綺麗に染まらないので、精錬水洗の工程は絶対に必要です。

また前処理として漂白作業も行います。これは精錬後に残った微量の不純物や汚れを脱色して、真っさらな色に統一するための作業です。原料の種類によっては漂白をすると生地が傷むため、こうした前処理を行わずに染色する場合もあります。

染色

染色には様々な方法がありますが、近年では大量生産を前提として染色機と呼ばれる機械を使った手法が主流です。基本的には繊維を機械に通し流したり動かしたりしながら染色液に浸けることで、色素が吸着される仕組みです。ドラム式やポンプ式などさまざまな機械があります。

しかしながら着物を染める場合は今も手作業による染色(反応染めなど)が主流で、伸ばした生地に刷毛で染料を塗り、丁寧に染め上げていきます。染める色や生地の材料に合わせて染料や染色液を調合し、顔料のみならず浸透剤や苛性ソーダなど染料が均一に強く固着するのを促す物質も適宜追加されて作られます。

後処理

染色後に、生地表面についた余分な染色液(未固着染料)や不純物や汚れなどの余計なものを取り除く処理を「ソーピング」と呼びます。このソーピングは染色堅牢度をあげる上で必須の作業となり、大量の水を使って濯ぐことでもできますが、水の無駄遣いや排水の関係などで水を使ったソーピングは避けられるようになりました。

現在ではソーピング剤と呼ばれる特殊な素材を使って効率良くソーピング処理を行うことが多いです。原料によって使われる染料は異なるので、ソーピング剤も適宜異なる種類のものを用います。

ソーピングが終わると染め上がりを確認した上で脱水、乾燥をしっかり行って、適宜用途に応じて仕上げて完成です。ソーピング剤は、着物染めの後処理においても用いられます。

染色のタイミングは大きく分けて2種類

染色作業には、原料に応じた最適なタイミングがあり、それに応じて作業の順番が異なります。染めるタイミングというのは染色物のオリジナリティにも関わる重要なポイントです。大まかに分ければ2種類、「先染め」「後染め」に分かれます。

「先染め」は、紡績作業を行う前の、綿や糸といった原材料の段階で繊維を染める方法です。主な種類としては、羊毛のバラ毛や化学繊維である短繊維(ステーブル)の状態で染める「バラ毛染め」、羊毛の繊維束(スライパー)や綿を染める「トップ染め」、糸を染める「糸染め」などがあります。

「後染め」は紡績作業を終え、形としてちゃんとした織物になった状態から染色を施す方法です。

主な種類としては、布生地を染める「反染め」、製品を染める「製品染め」などがありますが、後染めの方法にも2種類あり、染色液に浸して染める「浸染(しんぜん)」と、染料や顔料に糊を混ぜて生地に印刷し固着させる「捺染(なせん)」が挙げられます。近年では捺染に専用のインクジェットプリンターが用いられ作業が効率化しています。

染色の際に重要になる「染色堅牢度」とは?

普段使っている服やタオルの色は、洗濯をしたり長年使ったりしていると多少は色落ちするものの、すぐに色が抜けることはありません。色落ちして劣化することを防ぐのはもちろん、できる限り他の製品に色移りなどの影響が出ないよう、しっかり考慮されて染められています。

この色の丈夫さを「染色堅牢度」といい、JIS規格によってしっかりとした等級が定められています。

この等級を測る上ではしっかりとした試験が設定されていて、例えば紫外線による色褪せの程度を測る機械による耐光性試験や、汗や水による影響を測定する試験、摩擦が原因で発生する色移りのレベルを調べる摩擦試験などがあります。どうしてもある程度の色落ちや色褪せ、色移りは発生してしまうので、予め試験を行うことでなるべく染色堅牢度を上げる製法が模索されています。

まとめ

以上、染色の簡単な流れや、染色方法にかかる様々な要点を一通り解説しました。染色は伝統的な技法から最先端の機械を用いた職人技まで様々な手法がありますが、染料の調合や後処理の手法など基礎的な工程に関しては化学などの発展に伴い概ね違いはなく、着物もTシャツも簡単な染色の流れは同じです。

染色というのは歴史が長く、古代から続くプリミティブな技術でもあります。工法によっては素人でも気軽にできるものもあり、染色体験を受け付けている体験教室も多くあります。東京新宿上落合にある「二葉苑」では、着物や染め小物の販売を行うとともに、広く一般に染色の楽しさを知って頂くため染色教室を開いています。

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